「実家のタンスを整理していたら、素晴らしい着物が出てきた。

でも、裏地を見ると『名前』が刺繍されている…」 「立派な『家紋』が入っているけれど、他の家の紋が入った着物なんて誰も買わないのでは?」

 

親御さんが大切にしていた着物ほど、こうした「名前」や「紋」が入っているものです。

自分では着られないけれど、捨てるのはもったいない。でも売れるかどうかも分からない…。

そんな板挟みになっていませんか?

 

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結論から言うと、名前入りや紋付の着物であっても、買取してもらうことは十分に可能です。

ただし、無地の着物に比べると査定額や需要に影響が出ることは事実です。

この記事では、名前や紋が入った着物が「なぜ売れるのか」という理由と、査定額への具体的な影響、そして少しでも高く手放すためのポイントを解説します。

 

結論:名前入り・紋付の着物でも「買取可能」な理由

一般的に「他人の名前が入った服」はリサイクルショップでは敬遠されがちです。

しかし、着物買取の市場では、以下の理由から買取対象となっています。

  1. 見えない場所なら気にしない人が増えている
    • 名前が入っているのは主に「胴裏(裏地)」や「下前(着ると隠れる部分)」です。着用時には見えないため、中古市場では「安く買えるなら気にしない」という層が一定数います。
  2. 「リメイク素材」としての需要
    • 着物として着るのではなく、ほどいてバッグやアロハシャツ、小物などにリメイクする需要が急増しています(特に海外向け)。この場合、名前や紋の部分を避けて使えばいいだけなので、生地そのものの価値が評価されます。
  3. 技術で「消す・変える」ことができる
    • 専門業者であれば、名前の刺繍を解いたり、家紋を「貼り紋」で上書きしたりする技術を持っています。そのため、販売ルートを持つ業者は買い取ってくれるのです。

「名前入り(ネーム刺繍)」の査定への影響

では、実際に査定額にはどう響くのでしょうか。

マイナス査定にはなるが「買取拒否」ではない

正直なところ、名前がない状態に比べれば査定額は下がります

しかし、それが原因で「0円」になることは稀です。

重要なのは「着物そのものの価値」です。

  • 有名作家の着物・伝統工芸品:
    • 名前が入っていても、数十万円〜数百万円の価値がある着物は高値で取引されます。「名前入りだから」という理由だけで断られることはまずありません。
  • 一般的な着物:
    • 数千円程度の減額になるケースが多いですが、リメイク需要があれば値段はつきます。

 

※注意:無理に取ろうとしないこと

「名前を消せば高く売れるかも」と、自分で糸を解こうとするのはNGです。

生地を傷めたり、穴を開けてしまったりすると、名前入りであること以上に査定額が暴落します。

そのまま査定に出すのが正解です。

 

「紋付(家紋入り)」は種類によって明暗が分かれる

家紋が入っている着物の場合、その着物が「何であるか(種類)」によって買取事情が大きく異なります。

1. 留袖・訪問着・色無地の場合【売れる!】

これらは中古市場でも需要があります。

  • 通紋(つうもん)なら有利:
    • 「五三の桐(ごさんのきり)」や「アゲハ蝶」など、多くの家で使われている一般的な家紋であれば、需要が広いためマイナス査定になりにくいです。
  • 珍しい家紋の場合:
    • 少し需要は限られますが、「着付けの練習用」や「リメイク用」としての需要があるため、買取は可能です。

2. 黒喪服(くろもふく)の場合【厳しい…】

残念ながら、家紋入りの「黒喪服」は、買取市場で最も値段がつきにくい着物の一つです。

  • 理由: 喪服は家紋の重要性が高く、他家の紋が入ったものを着る習慣がないため。また、現代ではレンタルが主流になり、中古需要が激減しています。
  • 対策: 1枚で値段をつけるのは難しいため、他の着物や帯と一緒に「まとめ売り」をして、数合わせで引き取ってもらうのが現実的です。

名前・紋入り着物を少しでも高く売るコツ

ハンディキャップがある着物を賢く売るために、以下の3つを意識してください。

1. 「着物専門」の買取業者を選ぶ

総合リサイクルショップでは、マニュアルで「名前入り=買取不可」となっている店舗も多いです。

一方で、バイセルや福ちゃんなどの着物買取専門店は、独自のリメイク販売ルートや海外販路を持っているため、生地としての価値をしっかり査定してくれます。

 

2. 「証紙」や「落款」があれば強い

名前が入っていても、産地を証明する「証紙」や、作家の「落款」があれば、その価値がネーム入りのデメリットを上回ります。

付属品は必ずセットにして出しましょう。

 

3. 外国人に人気の柄はチャンス

最近はインバウンド(訪日外国人)需要で、漢字で名前が入っていることや、家紋の「Japanese Crest」のデザインが逆にクールでかっこいいと評価されるケースもあります。

特に派手な柄や、伝統的な和柄の着物は、名前入りでも意外な値段がつくことがあります。

 

まとめ:捨ててしまう前に、まずは無料査定へ

名前や紋が入っているからといって、ゴミ袋に入れてしまうのは早計です。

  • 名前入りでも、見えない場所なら需要はある
  • 紋付でも、留袖や訪問着なら売れる
  • 喪服は厳しいが、他の着物とセットなら引き取ってもらえる可能性も

「どうせ売れないだろう」と自己判断せず、まずは専門店の無料査定を利用してみてください。

査定員に「これは良い生地ですね、リメイク用として人気がありますよ」と言われ、思わぬお小遣いになるかもしれません。

思い出の詰まった着物が、形を変えてまた誰かに愛用される。そんなバトンタッチができれば素敵ですね。

 

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